2024年を振り返り、2025年を展望するイベント「NEXTOURISM WRAP-UP 2024」が開催
日本地域国際化推進機構は、2024年を振り返り、2025年を展望するイベント「NEXTOURISM WRAP-UP 2024」を2024年12月23日に開催しました。
イベント冒頭では、観光庁 観光資源課長 竹内大一郎氏による基調講演「観光立国2024年の総括と2025年への展望」が行われ、2024年の日本の観光政策の成果と課題について、ならびに2025年以降の方向性についての考察が行われました。
以下、講演の内容を紹介します。
竹内氏は、2024年のキーワードとして「再会」を掲げ、本格的な観光市場の復活とともに、人々や地域、文化など多様な領域で新たなつながりが生まれた年であると位置づけました。
「2024年の訪日客数は過去最高の3,500万人を超える見通しです。観光消費額も8兆円に達すると予測されています。これは訪日観光が日本の主要な輸出産業となっていることを一層裏付ける結果と言えるでしょう。一方で、円安の影響で宿泊費が増加したが、ショッピングの消費構成比は低下。地方誘客の掛け声はあったものの、三大都市部の宿泊比率が上昇するなど、その実現にはまだ課題が残ります。地方部では今後も更なる魅力づくりや二次交通を含む受入環境の整備が急務となります」
竹内氏は続けて、2025年を「観光立国推進基本計画」の見直しの年であることに言及。政府が掲げる「2030年に訪日客6,000万人、観光消費額15兆円」という目標達成に向け、具体的な施策を議論する重要な年になると強調しました。合わせて、石破政権の「地方創生2.0」に基づき、農林水産業と観光産業を高付加価値化し、自然、文化、芸術など地域資源を活用した高付加価値型の事業を創出することが目指されていることを紹介。具体的には、農林水産業と観光を組み合わせたガストロノミーツーリズムや、無形資産を活用するなど、観光地域づくりを進めることが求められだろうと話した。
最後に、課題として、2030年に15兆円規模の輸出産業へと訪日観光市場の成長が見込まれる一方で、観光産業への新規参入が停滞している現状についての指摘がありました。この「目詰まり」の原因を明らかにし、参入を促進する施策の必要性を強調。さらに、地方誘客を実現するためには、コンテンツや施設対応だけでなく、地域全体の魅力を高める「観光地域づくり」の取り組みが重要であると締めくくりました。
【イベント概要】
『NEXTOURISM WRAP-UP 2024』
主催:一般社団法人 日本地域国際化推進機構
開催日時:2024年12月23日16時〜
場所: BABY The Coffee Brew Club 東急プラザ原宿「ハラカド」3階
東京都渋谷区神宮前6-31-21
【基調講演】
観光庁 観光資源課 課長 竹内大一郎氏
『観光立国 2024年の総括と2025年への展望』
【パネルディスカッション】
テーマ:「インバウンド市場、解決すべき課題と未来像」
登壇者:
観光庁 観光資源課 課長 竹内大一郎氏
一般社団法人 ナイトタイムエコノミー推進協議会 代表理事 齋藤貴弘氏
株式会社 TOKI 代表取締役 稲増佑子氏
モデレーター:当機構代表理事 伏谷博之
【特別セッション:世界の最前線トピックを知る】
テーマ:サム・アルトマンが『World』(旧Worldcoin)で描く未来社会
講演:Tools For Humanity 日本代表 牧野友衛氏(当機構理事)
聞き手:当機構理事 國友尚
OpenAI CEOのサム・アルトマン氏が設立した『World』(旧Worldcoin)プロジェクトについて、このプロジェクトを推進する企業、Tools for Humanity 日本代表の牧野友衛氏にお話しを伺います。Worldは、AI時代に必要なAIと人間を識別することを証明する認証システム「World ID」と新しい金融ネットワークの構築を目指しています。
【活動報告】
観光庁の『特別な体験の提供等によるインバウンド消費の拡大・質向上推進事業』の一環として、当機構は『日本的寛容の発見』プロジェクトを実施しました。本プロジェクトでは、グローバルリーダーを対象に、国際フォーラムとエクスカーションを組み合わせた革新的な体験プログラムを展開しました。ここでは、その実施内容と成果についてご報告いたします。